2021/12/27
「何よりも現場が一番大事という当たり前のことを思い出させてくれた」(週刊生コン 2021/12/27)

生コンクリート、そして、ポーラスコンクリート「ドライテック」や流動化処理土などプロダクトが軌道に乗り始めると組織では分業が始まる。僕自身実際のドライテックや生コンの現場から遠ざかっていたのだが、新製品「オワコン」はそんな一番大事なことを思い出させてくれた。(週刊生コン 2021/12/27)
現場の感覚が全てのスタート地点
⚫︎先週の記事1: 【静岡】「サイクルポートの水たまり・ぬかるみ・雑草対策は早い安いのオワコン一択」伊豆植物園
個人的には生コン21年目。
透水性コンクリート事業に関しては16年目を数える。
組織は分業をするものだから、集う個人はそれぞれの役割を意識してそれぞれの貢献を果たす。
そのフィールドが現場に寄る人もいるだろうし、オフィスで通信や管理に寄る人だっている。
その総体としての組織が求められる成果を上げるのだから、分業そのものを否定することはない。
いろんな組織のあり方が議論されているが、でも、やはり、なんというか、現場が一番大切だよなってつくづく感じる。
当社生コンポータル(長岡生コンクリート)のモットーは「0.5m3に魂を燃やせ」「現場至上主義」だ。
市場と顧客の要求は会議室やオフィス、飲み会の席などでは得ることはできない。
人やものがぢかに交わる現場で生まれるいろんな感覚が本当のニーズを知らせてくれる。
そんな当たり前のことを今年8月下旬に着想され既に実装を始めている造粒ポーラスコンクリート「オワコン」は教えてくれる。
僕が入職する前だからわからないけど生コンもそうだったろうし、透水性コンクリートについては僕自身も経験したことだ。
新しいプロダクトが現場に実装されるということは目新しいし組織に関わる全ての人たちにとって「特別」なこと。
何事もそうだろうけれど、当初はフローも安定しないし、不測の事態がたくさん起こるから、なるべくみんなは現場に入ってそれらに備える。
今やドライテックも生コンも、流動化処理土だって、当社で取り扱っている大半のプロダクトはフローが安定し生コン同様に当たり前に現場で実装されている。
一方、オワコンは僕たちに教えてくれる。
透水性コンクリートや流動化処理土を始めたばかりの頃のまだ新鮮な気持ち。
何か未来がひらけていくようなワクワク感。
開発の端緒にいたこともあり、僕はこのところオワコンのおかげで現場に入ることが多い。
事実、本日も愛知県豊橋市で目を覚まし実装予定のオワコン製造・施工に立ち会う予定だ。
⚫︎先週の記事2: 【愛知】「オンライン(ZOOM)による《オワコン》製造・施工見学会開催します!」草間生コンクリート・イヨダ外構
今では現場立ち合いは組織で分業され、具体的にはまさつぐさんとか絵里子さんがその中心的な役割を果たしてくれている。
また、幸運なことに各地で操業するパートナー有志らによってそれぞれの現場は共有される。
僕はその共有された現場の写真や情報をブログ記事として作成し発信するのが役割だと自認している。
それが組織、もっといえば産業全体として合理的に成果を上げることができると考えているからだ。
ただ、オワコンは教えてくれる。
まだ、何が起きるかわからない新製品だから、やっぱり僕自身も現場に立ち会いたいという衝動に素直に従っている。
そして、実際に現場に足を運んでみて、採用を検討中の一般消費者の方と接点を持つ。
⚫︎先週の記事3: 【埼玉】「雑草・ぬかるみ・水たまり対策《オワコン》現場調査の様子」エクスショップ
「毎年毎年雑草さんたちに悩まされている」
消費ラストワンマイルのリアルなニーズがそこに転がっている。
「不陸は?下地は?転圧は??」
初めてのプロダクトに対する施工ラストワンマイルのリアルな懸念、つまりニーズがそこにある。
僕たちサプライヤーは生コンクリートという専門領域を通じて、そんなニーズ(飢餓)を癒すために組織として成果を上げる。
造粒ポーラスコンクリートというプロダクトは具体的に「雑草やぬかるみ、水たまりといった問題を解消する」ことで消費ラストワンマイルの飢餓を癒す。
簡易な舗装であり期待性能も限定されているため、「土間コンに求められるような仕上げや車両乗り入れなどを考えなくてもいい」というふうにオワコンは応える。
会議室やマーケティングが勝手に作り出したニーズではない。
リアルなニーズに応えるために必要なことはやっぱり現場にあるという当たり前のことを申請品オワコンは僕たちに改めて知らせてくれた。
造粒ポーラスコンクリート「オワコン」はまだまだ生まれたてでこれから諸物性が明らかにされていく。
よちよち歩き。
まだ、補助輪を外したばかりのよろよろ自転車。
だから、僕も組織の、というよりは、産業人の一人として、謙虚に現場に身を置いてそこにあるリアル・実像を見つめたい。
その実像、どのように消費・施工・製造のラストワンマイルのニーズに応えているかを、普段の僕の役割であるところの情報発信に転換していきたい。
「何よりも現場が一番大事という当たり前のことを思い出させてくれた」
オワコンが生まれた2021年の年の瀬に、僕は改めて何が大切かを知ることになった。
学会やイベントやメディアに騒がれるような場所ではなく、僕がいるべき場所は現場・現実・現物。
本当のニーズに晒される場所で僕は自分の使命を果たしていきたい。
次回週刊生コンは年を跨いで新年となる。
今年1年も大変お世話になりました。
来年も引き続きよろしくお願いします。
良いお年をお迎えください。
宮本充也
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
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