2020/04/21
「0.5m3に魂を燃やせ!」日曜日の出荷も無駄にせず
生コンポータル(長岡さくら工場)では祝祭日や深夜の出荷にも原則応えている。日曜日に関しては原則お休みをいただいているのだが、水の次に流通する材料「生コン」であるため「どうしても日曜日でなければ」という顧客からの声も少なくない。採算割れの日曜日の出荷も無駄にせず(池上さん報告)。
日曜日の工場渡し(出荷)の空き時間を利用
新型コロナウイルス感染拡大以降出社する方々は必ず体温を報告しあっている。
「本日体温36.5」
につづき、
「昼1工場渡し出荷対応」
日曜日でもありながら「どうしても」という顧客の求めに応えてしまうのは、「0.5m3に魂を燃やせ」長岡生コンクリートのコーポレートミッションがDNAに刻まれているからだろう。
僕が入職した20年前はダンピングに次ぐダンピングでゼネコンやその手先の商社に嫌というほどいじめられた苦い経験を長岡生コンは持っている。
当時、同族経営者との骨肉の係争が明けたばかりの長岡生コンクリートは経営基盤も貧弱で、学生に毛が生えた程度の僕にとってはその頃の記憶は原体験として残っている。
厳しい値段交渉を突きつけてきたゼネコン・商社らの一方、僕たち零細企業の心理に寄り添い支えてくださった小規模建設事業者・施工者の皆さんには助けられていると思っている。
そ長岡生コンの思いは当時を知る池上さんをはじめ今いる仲間たちは、
「0.5m3に魂を燃やせ」の本質を理解している。
僕たちの市場と顧客はそうした大規模ではない施工者(個人事業主や小規模事業者)。
そうはいっても、採算割れ。
思いがどれほど強くとも、日曜日にどんなに割増をいただいても、工場を開けることは勘定が合わない。
ただ、「0.5m3に魂を燃やせ」長岡生コンの魂はそれなりの工夫を築き上げてきた。
プラントミキサー減速機オイル交換
長岡生コンクリート(生コンポータル運営)では、工場や設備などのメンテナンスカレンダーが整備されている。
いつぐらいの時期にどの設備が更新・メンテナンス時期を迎えるかは全て可視化されている。
不意にお客様から「どうしても日曜日開けてください!」みたいな求めがあっても、「開けたからには時間を無駄にしない」という根性が根付いている。
これぞ、当社の0.5魂。
同業者が長岡さくら工場を訪ねて必ず指摘する「0.5m3に魂を燃やせ!」は単なるお題目ではなく、組織に集う仲間たち全員の行動規範となっている。
小ロットのお客様たちがあってこそ、僕たちがいるのだ。
「0.5m3に魂を燃やせ!」はさらに拡大
そんな、小口を大切にする僕たちの姿勢はこれまで「小口のお客様たちのお役に立つ製品」(≒「生コンでいいこと」)の数々を生み出してきた。
⚫︎30分で終わる土間コン→透水性コンクリート
⚫︎JIS外品なら安い生コン→残コン再生生コン(アウトレット生コン
⚫︎生コン屋さんの埋め戻し材→残渣式流動化処理土
⚫︎不意のコンクリート施工不良対策→コンクリート色合わせ
⚫︎大変なワイヤーメッシュを無くす→pp繊維散布工法
⚫︎コンクリート不具合調査→コンクリート診断
⚫︎その他
全ては僕たち生コンポータルの市場と顧客(小規模建設事業者や個人施工者)にとって現場で支えになる技術・製品群。
特に、キラーコンテンツ「透水性コンクリート」は今や全国で長岡生コンと同じように小口・小ロットを得意とする生コン工場の共感を得て今急速に普及拡大が始まっている。
初心者さんでもDIYできる施工性はプロ施工者たちにとても評価されている。
そして、今日も。
組織に集う個人がそれぞれの現場で感じたこと、出会った出来事は全てITツールで適時共有されている。
こうした現場共有の一つ一つが全て組織の一人一人に刻み込まれる。
僕たちの市場と顧客である個人施工者や小規模施工者の皆さんとの関係性。
それらがベースとなって新しい価値(市場と顧客の支えになるもの)が生み出される。
「市場と顧客は誰か?」
常にこの問いに応え続けていれば間違いはない。
どんな時代になっても、市場と顧客の求めに応え続けてさえいれば、僕たちは存在を許され続けるはずだ。
そして、「日曜日の出荷も無駄にせず、メンテナンス」のように自然とそうした工夫は生み出されるはず。
誰かに指図されるのではなく、自分の気持ちから。
市場と顧客の求めに応えられることを鼓舞できる組織文化をこれからもみんなで広げていきたい。
宮本充也