2020/04/27
「生コン屋さんの考える《ユーザーフレンドリー》」(週刊生コン 2020/04/27)
先週丸13年の節目を迎えた生コン屋さんの情報発信NR Timesを始め生コンポータルでの情報発信は14年目を迎える。BtoB産業生コンが広く一般に知られることで生まれるフィールド。「生コン屋さんの考える《ユーザーフレンドリー》」について。
「騙されるな!DIYでもっとも辛い作業は土間コンではない!!」フェラーリ様邸DIY #1
https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/diy_1_2.html
生コン産業は71年目を迎えている。
70年間一貫してBtoBの産業構造を敷いてきた。
建設産業がそうであるように、産業構造は縦割りで階層型。
権威や大資本をいただきにおいたヒエラルキーで情報は内向きに流通してきた。
一般を「啓蒙すべき無知で気の毒な人々」という前提が底流にあった。
BtoCを一切顧みないその産業構造はいつしか「知られていないことは存在していないことと同じ」よろしく認知されない業界となった。
「セメント?モルタル?生コン?」
である。
一方、14年目を迎えた生コンポータルの情報発信(https://www.nr-mix.co.jp/topics/stayhome_13nr_times_vol156.html)。
⚫︎NR Times Vol.156:https://www.nr-mix.co.jp/nrtimes/NRT156-2.pdf
この14年で状況は様変わりした。
毎日ブログ3本以上の情報発信は5年目を迎えている。
日に多い時には10件以上もの問い合わせが寄せられる。
しかも、それら多くは施工者のようなプロ(BtoB)ではなく、一般(BtoC)から寄せられるもの。
4月に入ってHPのPV(ページビュー)数は17万を突破した。
透水性コンクリートの売り上げの大半は今やインターネットを通じて寄せられるようになっている。
既存産業(公共工事や建設業者)は一向にこれまでの産業構造から脱却しようとせず、社会一般が時代の扉を開こうとしている。
そんな時代、生コン屋さんはBtoBにしがみ付いていられるのだろうか。
人口は半減に向けて急激に縮小を始めている。
椅子取りゲームの始まり。
BtoBには消耗戦しか待っていない。
一般(BtoC)への訴求、「ユーザーフレンドリー」を考えるべき時が来ている。
透水性コンクリート施工【タイムラプス】動画まとめ
https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/post_1108.html
ブログの次に情報発信の主流となるのが「動画」。
生コンポータルではなるべく「生コンをもっと身近に」感じてもらえるよう世間一般の目線を意識した動画コンテンツを充実させている。
僕なんかは生コン20年選手。
無意識に言葉の端々に専門用語が染み付いてしまっている。
それはそれで構わないのだけれど、そんな自らを客観的に捉えられる冷静な視点を持っていたい。
専門用語は一般には伝わらない。
ならば、言語的ではなく視覚的な「動画」というコンテンツを武器にして情報発信をする。
「透水性コンクリートってどうやって買ったらいいの?」(施主編)
https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/post_1113.html
市場と顧客から逆算して自らの形を変える。
これが、ユーザーフレンドリーの要諦だと思う。
自分本位ではない。
エゴを世界に押し付けるのではない。
どんなに情熱を持って取り組んでいたとしても、エゴは世間からは受け入れられない。
新しい価値を世間に対して発信し続けてきたつくづく感じ入っていることだ。
「顧客目線」
「相手の立場に立って考える」
一口に言うけれど、これはこれで結構難しいテーマだ。
専門家はついつい自分本位で物事を考え押し付けてしまう。
経験が長じれば長じるほどにそれは顕著になる。
それだけ長年の経験があるのだから素人(一般)に対して「教えてやる」と言う不遜な態度が生まれてしまう。
この点がBtoB産業生コンがBtoCにパラダイムシフトする上で最も重要な鍵と言っていい。
そのためには世界や社会(市場と顧客)が求めている声にひたすら耳を澄ませる。
産業は何を求められているのか。
拡大再生産することなのか。
それとも、クローズドループ、自然と人が調和する世界に貢献する生コン産業なのか。
耳を澄ませていれば自ずと聴こえてくる市場と顧客の声。
その声から逆算して自分たちの姿を変える。
こちらの都合を押し付けるのではない。
今生コンは転換期を迎えている。
その当事者たる僕たちは偏見のない澄んだ目と耳で市場と顧客を見つめ声を聞かなければならない。
「生コン屋さんの考える《ユーザーフレンドリー》」
今週も、情報発信は続く。
宮本充也