長岡生コンクリート

2023/01/14

「ため池メンテナンス市場を残コンが切り拓く! 共同開発がキックオフしました」神戸大学・泰慶・白石建設・奥村組土木興業

「ため池メンテナンス市場を残コンが切り拓く! 共同開発がキックオフしました」神戸大学・泰慶・白石建設・奥村組土木興業

神戸大学に共同研究を申し込む形で始まった「残コンから作った法尻固定・遮水・築堤盛土用材料の開発」がいよいよキックオフ。生コン産業に開かれる新市場「鋼土」について。



鋼土(羽金土)は生コン産業の新市場?!

砕石工場視察を兼ねたキックオフミーティング

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残土に固化材をブレンドし改良する設備。

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インパクトクラッシャ内部の機構。

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こちらも土質改良のための設備。

 残コン女の子

昨年から懸案となっていました共同開発のキックオフミーティングが今週岡山県白石建設さんの砕石場で行われました。
参加メンバーは神戸大学、泰慶生コン、奥村組土木興業、白石建設といった錚々たるメンバー。
目的は生コン工場や砕石工場で発生する未利用資源(スラッジ)を鋼土として再生利用することなどです。

砕石汚泥(スラッジ)と残コンによるため池メンテナンス

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図引用:香川県
鋼土(羽金土)とはため池堤体の安定を目的とした遮水材。

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おろちの鋼土より引用
鋼土搬入状況。

希少な資源であり年々高騰する鋼土の代替品の開発は今後老朽化が深刻化するため池の維持補修にとって必至なんだ。
元々開発テーマとして研究していた白石建設のデータもあるし、神戸大学鈴木麻里子先生はその道のエキスパート。
さらに、関西・西日本に名を轟かせるゼネコン「オクド」こと奥村組土木が組んだこの共同開発は筋がいいな。

 残コン姐さん

鋼土 既往の製造工程

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おろちの鋼土より引用
鋼土の製造工程フロー。泥水をフィルタープレスで圧搾したケーキと真砂土をミキサーで混合することで鋼土を製造する。

この工程見てて宮本さんピンと来ちゃったんだよ。

 宮本

あれ? わざわざ搾る(ケーキにする)必要ってある?

ってね。

 宮本

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砕石製造の過程で発生する副産物泥水。

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写真引用:中古トラック買いたい

砕石工場では泥水をフィルタープレス(脱水機)により圧搾することで処分しやすい「脱水ケーキ」という状態(減容)にしている。既往の鋼土製造ではこうした脱水ケーキと乾燥した土(真砂土や石粉など)を特殊ミキサで混練することで遮水材を製造している。

わざわざ搾ったり特殊ミキサーで混練したりってエネルギーをかけずにそのまま生コンプラントで製造しちゃえばいいじゃんっていう。

 宮本

プラントで製造すれば特殊ミキサも脱水機も不要

 残コン女の子

え? プラントって生コン製造するバッチャープラントってことですか??

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図引用:生コンパーク


脱水機にかける前の泥水を練り水としてバッチャープラントで所定量軽量する。また、真砂土や石粉などをサイロあるいは骨材の貯蔵便でストックしてミキサで練り混ぜる。

 

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残コンを残コンステーションで加工して得られた細骨材。

そうだりん!
例えば、残コン造粒細骨材と泥水をそのままミキサで混練して、含水調整に多少高分子(凝集剤)を用いるかもしれないりんけど、そのまま練り落とせば鋼土っぽい物ができるはずりん!!

 宮本

 残コン女の子

り、りん??
ゼンナマのイメージキャラクター(ナマリンちゃん)意識しても伝わらねえからやめとけ、宮本。

 残コン姐さん

実験のスピードが飛躍的に速くなる

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写真引用:株式会社関西機器製作所

これまで試験製造に供せられてきた試験練りミキサーは特殊な型式だった。一方、泥水と石粉・細骨材・高分子で製造が可能になるのであれば生コン工場であればどこにでもある一般的な試験練りミキサーで実験が可能となる。そのことでスピードは飛躍的に速くなる。

 残コン女の子

な、ナマリンちゃんだったんですね汗。。
それはそうと、これまで試験製造するための設備は特殊なミキサーだったようですが、もしこれが可能ということになれば、泰慶さんや白石建設さん、生コンポータル(伊豆中央コンクリート.llp)などにおいてある設備で実験できるようになるから便利ですね。

残コン・スラッジ由来の羽金土は生コン工場の新事業

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夜間や休日など創業していない時間帯での鋼土製造が可能となるならば、生コン工場にとって新たな事業分野が開かれることを意味する。

生コン屋が生コンしか練れねえなんてもったいねえからなあ。
せっかくある設備だ。
どーせ暇なら鋼土だなんだと他の製品が製造できるようになれば多少は経営も楽になるんじゃねえの?

 残コン姐さん

共同開発いよいよ本格的にキックオフ

残コンさん、残コン姐さん、お勤めご苦労様ですっ。
そもそもこの共同開発、なんで宮本さん巻き込まれてんだ?って当初から疑問符を投げかけてたんだ。だって宮本さん生コン屋だし、鋼土にしたところで昨日今日知ったばかりの素人だし、元々興味もなかったし、どんな役に立てるの?ってね。
でも、「バッチャープラントで鋼土が作れます」って話になったら別さ。
生コンポータルが透水性コンクリートで培ってきた800以上の生コン工場の前に開かれる新しい市場を意味するんだからね。
つまり、僕たち生コンポータルがお役に立てる領域ってことなんだ。
中身(配合とか分析とか品質、性能、施工)については僕なんか出る幕はないけど(神戸大学や白石建設、奥村組土木興業に委ねられる)、生コン工場が必要になるってことなら泰慶生コンや当社もお役に立てられそうだりん!!
開発の中身については詳しく紹介しないけど、公表できる成果が生まれた段階でまたblgで紹介したいと思いますので、生コン工場各位は乞うご期待ね!
残コンさん、残コン姐さん、引き続きよろしくお願いしますっ。

 宮本

 残コン女の子

よろしくお願いしますー。
夜露死苦! 残ッコーン‼︎

 残コン姐さん



作者・宮本充也

宮本 充也

主な著者
宮本充也

危険物取扱責任者(乙4)/1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士

毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:採石業務管理者/2級FP技能士