2021/12/13
「面白いことは常に現場(ラストワンマイル)で起きるもの」(週刊生コン 2021/12/13)

先週1週間もラストワンマイルで発生したチャレンジングなプロダクトの実験や実装が繰り返されていた。セメントレス先行材エコスルプラスや全く新しい保水・透水舗装材「オワコン」は今世界のニーズに応えるべく辺境で逞しく成長を始めた。(週刊生コン 2021/12/13)
中2日で車乗っちゃってるよ
⚫︎先週の記事1: 【静岡】「造粒ポーラスコンクリート《オワコン》の研究が始まる」
ほんのつい先日、先週の金曜日PMに完成したばかりの造粒ポーラスコンクリート「オワコン」になんと今朝(2021/12/13)車両が乗り入れている汗。
土曜日と日曜日中2日。
おいおい、大丈夫か汗。
写真提供の宮垣建設宮垣社長によれば「ストレートに今入って、ストレートに出ます!ハンドルひねらないで」とのこと。
写真からは特段割れなどの不具合は見られない。
恐るべし、造粒ポーラスコンクリート「オワコン」。
確かに転圧コンクリートなどは通常のコンクリートに比べて 早期交通開放が売り。
理屈では大丈夫そうだとは思っていても流石に中2日で車両を通そうとは考えていなかった。
さすが、宮垣氏。
高校時代からの友達ってやつはお茶目なプレゼントを不意にやってくれちゃう笑。
今後、こちらの造粒ポーラスコンクリートは1週間程度(土間コン同様)養生期間を設けてその後通常の車両乗り入れやタイヤを捻るなどの据え切りに対する対抗性が暴露でチェックされる。
現地に立ち合って作業にあたっていたとある学生の修士論文用に提供されるデータとしてだ。
⚫︎先週の記事2: 【静岡】「犬走で普段人もほとんど立ち入らないような場所の雑草・水はけ対策」
同時刻(ちょっと前)に犬走に適応された造粒ポーラスコンクリート「オワコン」は転圧用の道具(プレートやタンパ)を用いずに施工された。
なんと、「足で踏んだだけ」の施工。
超DIY仕様のプロダクト提案となっている。
でも、こんなんでも、歩道としての舗装の役割はもちろん雑草やぬかるみ対策は従来の防草シート(マット)や防草土・真砂土などとは比べ物にならない。
だって、コンクリだもん。
セメント効いてる材料だもん。
土とか石油製品(プラスチック)なんか目じゃあない。
施工厚も3cmとか5cmと薄めで設定できるので、プライスがど〜んと安い。
コンクリを用いた場合の最大のネック、「お値段」的にも大変財布に優しい機能を有するオワコンであることが証明されている。
⚫︎先週の記事3: 「オワコン(造粒ポーラスコンクリート)の耐久性、その後ってどんな感じなの?」
同じく先週は造粒ポーラスコンクリートの耐久性チェックが行われていた。
確かに理論上オワコンはコンクリートに分類される。
コンクリートの最大の売りは「耐久性」。
ガラスや陶器の親戚「無機質」であるため、長期耐久性が期待される。
だって、西日に30年照らされたからってガラス溶けないでしょ?である。
1万年まえの人類の営みは発掘される陶器(土器)によって研究されている。
つまり、有機物の防草シートなど耐久性の面ではコンクリの足元にも及ばないってわけだ。
ただ、これは、単なる理屈。
よく役所にポーラスコンクリートを営業に行って言われたのは「実績は?」というお断り回答。
こちとら実績がないから採用されたくて訪問しているのだ。
なんだ、その答えは?である。
10年20年経過した実績・証明を見せろ、ということなのだろうけれど、残念、当社等水性コンクリート事業としては16年目を数えているためあの当時のお役人に今では目に物見せつけることができるのだけれど。
今じゃ「決められない」担当者相手にせっせと営業をすることをやめてしまった。
当事者としての(消費)ラストワンマイルに直接価値を訴求する。
歪められていないピュアなニーズに直接訴求。
それが僕たち生コンポータルの現在のマーケティングストラテジだ。
オワコンも、コンクリだから同じく長期耐久性は理論上間違いないといえる。
⚫︎先週の記事4: 「セメントを一切使わない激安生コン誘導(先行)材エコスルプラス」PUMP MAN
オワコンだけじゃない。
エコスルプラスだって岡山県白石建設を舞台に予備実験が繰り返されていた。
どこぞの潤沢に予算が割り当てられている研究機関での開発ではない。
参加している人誰もが現場ラストワンマイル。
セメント(系)材料を一切含まない長距離配管にも使用可能な先行材エコスルプラスの開発だ。
先週もつくづく思ったことだがイノベーションてのは横文字が似合う潤沢に予算を割り当てられた中枢の研究機関の中ではなく、こうした現場・辺境・ラストワンマイルで起きるようだ。
無論、研究機関の役割は別にある。
細胞分裂のように辺境で変化し創造されたテクノロジーの研究や理論構築が行われ、更なる発展の土台を築くこと。
それが、研究機関に求められる役割や貢献、僕はそう感じる。
あくまで実装(売れる)は中枢ではなく辺境・現場で行われる。
「中2日で車乗っちゃってるよ」とか、「セメント系一切使わずに(無論プラスチックも)長距離配管通しちゃったよ」みたいな面白いことは常に現場で起きるもの。
現場で顔合わせて汗かいて面白おかしくあれこれトラブルに見舞われているうちに突如生み出されるもの。
そんな当たり前のことに先週1週間は再確認できた。
だから僕たちはこれからも現場共有を大切にしたい。
大切なラストワンマイルの仲間達が現場でどのようなことを思い行っているのかに共感を寄せたい。
今週もいよいよ始まった。
僕たちのフィールドは現場ラストワンマイル。
イベントやパネルディスカッションでチヤホヤされることでは断じてない。
役割を常に意識してラストワンマイルに誇りを持ってイノベーションを起こし続けていきたい。
宮本充也
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
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