長岡生コンクリート
ポータルサイト生コンでは随時生コンに関連する情報を生コンブログに載せて発信いたします。
その他、運営会社長岡生コンクリートからのお知らせなど、生コンブログをよろしくお願いします!

2019/11/21

【レッドオーシャン→ブルーオーシャン→ディープオーシャン】

【レッドオーシャン→ブルーオーシャン→ディープオーシャン】

水中不分離性コンクリートの打設現場。

製造の方は、てんやわんやの舞台裏だった反面、現場は至って静かだった。

https://www.nr-mix.co.jp/topics/5_1.html

https://www.nr-mix.co.jp/topics/post_478.html

https://www.nr-mix.co.jp/topics/_for.html

シ~~ン...ボコボコボコ。
シ~~ン...ボコボコボコボコ...

時折聞こえてくる酸素供給音。
無線のノイズの奥に、「ハイ」とか「オク」などの指示が混ざる。

ポンプのホッパーには、どんどんと水中不分離コンが吸い込まれていく。
水面下6mの闇の中。ダイバーは黙々と生コンを打っているようだ。

IMG_8767.jpg

「何人潜っているんですか?」監督に問う。
「1人だよ1人。そんな2人も入れらんないよ、金が掛かっちゃって」

なるほど、「特殊モノ」には何かと金が掛かる。
それは「水中不分離コン」とて同じこと。

「ダイバーさん1人で、いくらくらい掛かるんですか?」
素人なりに気楽に聞いてみたが、しばし唸る監督。

「......う~ん...<あの生コン1台>よりちょっと高いくらい、かな」
さすが現場代理人。ストレートな表現をぼかすのは得意なようだ。

さて、<あの生コン>とは「水中不分離性コンクリート」のこと。
そのヒントからなら、推測の足掛かりにはなりそうだ。

いつもの生コン単価に、特殊混和材(¥4,000/㎏)がプラス。
大型車で4m3積み(2.5㎏/m3)で、手間賃がいくらだとすると...ふむふむ。

頭の中でザックリと演算を進めながら考える...
そりゃあ人工負けしちゃうなぁ、と納得な数字が思い浮かぶ。

ダイバー1人と地上連絡員が、2人1組で作業にあたる。
危険手当も含んでいるとはいえ、なかなかいい単価になるのは想像に難くない。

このダイバーさんは、水中で型枠組んで、溶接もして、生コンを打つ。
地上で同じことをやっても、恐らく半分以下の単価であろう。

同じ作業をするにしても、他の人がやっていない所に価値は生まれるもの。
これこそまさに、「ブルーオーシャン戦略!」海ということも含めて分かりやすい。

生コン屋の戦略としても、JISのコンクリートばかり練る「レッドオーシャン」よりも、
準備・段取りは面倒だとしても、他が煙たがる水中不分離コンなどは「ブルオーシャン」

製造の裏側も大変だったけれども、
打設の裏方も、これじゃあはかどらないなぁ...

水中からダイバーが帰還。
地上班全員、あたたかい目で迎え入れる。

「本日の作業、終了~!」
「お疲れさまでした~」

IMG_8771.jpg

ちなみに、『建設物価』より、静岡県での潜水士単価を調べてみると。

潜水士(10m未満):59,800
潜水連絡員:37,100
潜水通気員:38,100

なるほど、なるほど。深度によっても、単価は上がるようだ。
これは「ディープオーシャン戦略」⁉

NR試験室 二見

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士/砂利採取業務主任者/採石業務管理者

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:宅建士