2020/12/14
「《製造が追いつきません》が無いってすごいことだ」(週刊生コン 2020/12/14)

一般のプロダクトで考えれば、「販売好調のため、販売が追いつきません。しばらくの間販売を休止いたします」ってのがあり得る。一方、生コン。欠品・在庫切れってのが基本的にはない。「生コンが売れすぎてしばらくの間販売休止します」なんて生コン工場聞いたことない。いよいよ量産体制に入った透水性コンクリート《ドライテック》の最大の強みはもしかしたらこれなのかもしれない。
⚫︎参考記事: 【東京】「やってみよう!舗装の常識はコンクリート!!」岡庭建材工業・前田道路・隈研吾
⚫︎参考記事: 【東京】「いよいよ2期工事ドライテック完成。3期工事は倍6,000m2へ」岡庭建材工業・前田道路・隈研吾隈研吾
ここ最近のドライテックの大きな特徴は施工規模の量的変化。
現場に立ち会っておられる方々はもちろん楽ちんではないとは思うが、それでも10年以上前からすれば今のドライテックの現状は嘘みたいな現実だ。
量質転化
上達論を勉強したことのある人なら誰もが知っている法則があります。 それは「量質転化の法則」です。 これは、ある一定量を積み重ねることで、質的な変化を起こす現象を指しています。 ものごとの質を変えたかったら、 量をこなすことが大事、という意味です。
(量質転化の注意点より引用)
10年前、1週間に1件ドライテックがあるかないか。
うまくいかないときには1ヶ月1〜2件という感じだった。
しかも、そのほとんどは、「めっちゃ営業攻勢かけてなんとか受注したそこそこの規模の建築外構舗装」だった。
だから、事業ローンチから数年は「圧倒的に施工経験が足りない」状態でガチの現場で受注していた。
パートナーフッコーと度々炎上を起こしていたものだ。
あの現場、こっちの現場、どちら様でも炎上。
大クレーム。
「よくやめなかったね」
この一言に尽きる。
あの当時の杉山青年と宮本青年に今僕がタイムトラベルで会いに行ったらなんて声かけるだろう。
年齢を重ね、世知もついた今だから言える。
あの当時の僕(たち)は程よくバカだったのだと思う笑。
やれどもやれども炎上。
湯水のように予算を当てて大量に練習するようなゆとりもないし、毎度の本番の現場が練習台だった。
今からすればなんて失礼なビジネスだったんだろう。
当時ご迷惑をおかけした人たちには申し訳ないとは思うが、それでもなんとかかんとか補修したりああでもないこうでもないで全てはなんとか収めた。
15年が経過した。
⚫︎参考記事: 【富山】「どんなに小さくても土間コンは土間コン。この時期2人で4〜5時間ボーっとしてなきゃいけないんだよ」あづまコンクリート工業
⚫︎参考記事: 【群馬】「群馬県内も少しずつドライテックが広がってきたと実感しています」高総建設・モトキ建材
⚫︎参考記事: 【群馬】「逆勾配なので、ドライテック。楽して儲けてください」高総建設
日本全国いろんなところで!施工実績はこちらを見てもらってもわかるとおり、今では毎日日本のどこかで必ずドライテックが土間コンクリートとして施工されるようになっている。
今週共有された施工現場もそうだ。
それらほとんどは戸建て住宅外構舗装のように50m2もない小規模な施工現場。
上から目線で物の価値もわからない、クレームしか能がないゼネコンや行政への営業攻勢を諦め、生コンポータルでは市場セグメントを完全に変えた
「インターネットファースト」を標榜し、ブログ毎日3本以上を書きはじめて5年が経過しようとしている。
繰り返し繰り返し小さな現場を余すことなく淡々とインターネットで共有する日々。
まるで雪だるまのように、そのループが繰り返されればされるほど、入ってくる物件が増えてくる。
それら全ては産業構造とは関係のない一般BtoCからの発注。
丹念に、丁寧に、繰り返し繰り返し納品した。
都度、製造に協力してくださった現地の生コン製造者や施工者の方々に今後の納品へのご協力をご依頼した。
来る日も来る日も同じことの繰り返しだ。
そしてその繰り返しはいつの間にか、製造・施工ネットワーク1,000を達成している。
量は、質へと、いつの間にか変化していた。
そして、その量はさらに5年以内に6,000を突破する見込みだ。
15年前には炎上していた大規模案件も、普通の光景のとして納品されるようになった。
GD賞2020金賞・経済産業大臣賞にも見出された。
いろんなメディアでこの透水性コンクリート《ドライテック》が取り上げられるようになった。
エクステリアEC最大手エクスショップや、BtoB ECのMonotaRo、カインズやジョイフルホンダなどのいわゆる一般流通にも乗った。
名だたる小売り、流通店が取り扱いに希望を寄せる。
そう、つまりドライテックはいわゆる、「閾値」を迎えたということだ。
透水性コンクリートの代名詞として世間の認知を得た。
そして、ふと通常のプロダクトと比較して、ドライテックの凄さを改めて感じたことがある。
「製造が追いつきません」が無い。
それが、生コンの強みだ。
インターネット小売りで販売されるプロダクトで欠品の恐れがないものってあるだろうか。
先日ニュースにもなっていたが、
ミロ「7倍爆売れ」で販売休止 フリマアプリでは早くも出品相次ぐ
みたいなことがない笑。
仮に1年後今の10倍売れたって、1ヶ月に10,000m3を全国の生コン製造者(例えば800工場)で分散して負担すれば1工場あたりの製造料はたったの12.5m3だ。
1ヶ月に100倍の100,000m3売れたとしても、たったの125m3だ。
生コン製造工場の能力からしたらほんの小口だ。
つまり、製造が追いつかず欠品があり得ない。
これって、すごいことだ。
毎日飽きもせずしつこくしつこくブログを3本以上書き続けて5年になる。
食事や排泄と同じように。
地球の自転のように。
誰に頼まれるでもなく続けてきたこの習慣では同じものを色々な角度から眺めることができる。
付き合う相手は生コンばかりじゃない。
むしろ、生コン以外の人の方が最近接触することが多くなったように思う。
環境や社会の中にあって、生コン産業が求められていることを、毎日毎日食事や排泄と同じように繰り返し繰り返し続けている。
次に向かうべき道筋も見えてくる。
これからも、質的変化を起こすために、量にこだわる日々を繰り返していきたい。
宮本充也