2021/06/14
《日経XT》「透水性コンクリ舗装で普及図る しがらみ少ない市場に着目」(月刊透水性コンクリートVol.47)

透水性コンクリートが時代の飢餓を癒そうとしている。生コンポータルではこの16年間プロダクト「ドライテック」の普及に携わってきたが、「透水」ではなく「二酸化炭素固定化」が注目されるようになったのはここ半年のことだ。田舎の生コン屋のブログ、戯言ではない。建設系最大メディア《日経XT》「透水性コンクリ舗装で普及はかる しがらみ少ない市場に着目」(月刊透水性コンクリートVol.47)
注目される二酸化炭素固定化
⚫︎参考: 透水性コンクリ舗装で普及図る しがらみ少ない市場に着目
⚫︎参考記事1: 《生コン革命》「成長戦略実行計画案」(週刊生コン 2021/06/07)
⚫︎参考記事2: 【号外】「CO2吸収型コンクリートは、2030年には需要拡大を通じて既存コンクリート同価格を目指す」(月刊透水性コンクリート)
⚫︎参考記事3: 【兵庫】「俺が知っている未来とはすでに違う道を進み始めている」透水宣言
⚫︎参考記事4: 「僕の生きている時代に割合を95:5(Con:As)に逆転させます」舗装施工監理技術者
いよいよ透水性コンクリートが舗装が時代の飢餓を癒そうとしている。
生コンポータルや関係者にとってもまさに「青天の霹靂」。
名前は体を表す。
透水性コンクリート。
水を透すコンクリート。
だから、水はけ、水溜り、水勾配に悩むことはなく、雨水はそのまま地下へ浸透することで、地下水系や樹木の根系を癒す。
路面温度が低減されることでヒートアイランド現象を抑制する。
普及することで都市部の熱は緩和されゲリラ豪雨が緩和される。
もちろん、排水設備への負担をも軽減されることで洪水被害への対策となる。
コンクリートであるからLCC(ライフサイクルコスト)の面でもアスファルトに比べて秀でている。
これが、僕たち生コンラストワンマイルが携わってきたポーラスコンクリート舗装の限界だった。
「2050年カーボンニュートラル」
RRCSローンチと時を同じくして菅首相から発せられた宣言は事態を一変させた。
こちらでも何度となく紹介してきた「中性化」というコンクリート特有の現象が再認識された歴史的な事件だ。
鉄筋を覆っている不動体被膜を破壊する、という観点から鉄筋コンクリートにおける中性化は忌避されるべきものでしかなかった。
一方、転圧コンクリート舗装に数えられるポーラスコンクリート舗装はもともと鉄筋の使用を前提としていない。
どれだけ大気中のCO2を取り込んで中性域に変質したところで強度、耐久性に問題は生じない。
僕自身も立ちくらみを覚えるほど驚いたことだが、ポーラスコンクリートは名前が示す通り「水を通すため」に内部空隙を多数含んでいる。
「水を通す」はつまり「空気を通す」。
通るコンクリート膨大な表面積を意味する。
その表面積が一斉に中性化する。
CO2を固定化する。
僕自身この事実に気づいたのはほんの昨年末(クリスマスイブ)のことだった。
⚫︎参考: 《コラム》「透水性コンクリートの本当の価値は水を透すことではないのかも知れない」
今回の報道は国内最大の建設系メディア日経XTでのリリースだ。
田舎の生コン屋(僕のこと)のブログ・戯言ではない。
発注機関、コンサル、設計事務所、ゼネコン、道路、ハウスメーカー、工務店、その他コンクリートに関わる多くの人々の耳目を集める。
(以下、HP記事より引用)
新しい技術の導入が進みづらい生コン業界。ただし二酸化炭素を吸着するコンクリートの普及に生コン工場の協力は欠かせない。そんな中、生コン業界のしがらみが少ない透水性コンクリート舗装の拡大で、脱炭素を勧めようという動きが出始めた。
95:5の5がコンクリート舗装であり、さらにその中で5%にも満たないのが透水性コンクリート舗装。
舗装の分野ではそもそもが生コン業界は門外漢。
完全なる他所もん。
よそ者は初めて訪ねた街で何をするだろうか。
「旅の恥はかき捨て」なんて言葉もあるが、まあ、言葉は悪いが、しがらみフリー。
何やったって怖くない笑。
村八分にされる心配がない。
そもそも、村八分。
透水性コンクリート舗装は、需要拡大を促す"特効薬"となる可能性を秘める。(記事より引用)
一方の道路会社はこのトレンドをどのように見つめるだろうか。
記事中にもあるRRCSには現在複数者の大手道路会社が加盟を検討している。
カーボンフリー。
プラスチックフリー。
時代の流れには誰も抗うことはできない。
2050年に期限が切られてしまっている中で、道路会社はこれからもアスファルトに固執することができるだろうか。
道路会社にとってもコンクリート舗装はある意味「しがらみ少ない」ということができる。
つまり、ブルーオーシャン。
リスクとして拒絶するのではなく事業機会として捉えることができるならば、これまでの序列を破壊し新しい業界秩序を創造することもワンチャンいけるんじゃなかろうか。
(ブログなんであえてチャラい言葉を使うようにしているのであります)
さあ、政府発表もあった(前回月刊透水性コンクリート号外参照)。
そして、建設系最大メディア日経XTでも報じられた。
僕は昔からしがらみが大嫌いだ。
誰かに指図されるのが本当に嫌で、執行部を組織したり会長を専任したりするようなそういった業界組織が嫌いで嫌いで仕方なかった。
他人から見たらきっと「わがまま」に写っているかもしれない。
でも、無理なもんは無理だから仕方ないのだ。
誰かに媚びへつらったり下げたくない頭を下げるのがもうアレルギー(もしくは病気)かっつーくらい嫌いなのだ。
だから個人的にはこれまでの人生は本当に辛かった。
でも、突然ひらけたコンクリート舗装というブルーオーシャンの市場。
これまで、頑張ってきて本当に良かったと思う。
「透水性コンクリ舗装で普及図る しがらみ少ない市場に着目」
着目っていうよりも、当てずっぽうに走っていたらたまたまそこにいた、ってのが本当のところだ。
最初からこうなることなんて予想はしていなかった。
いよいよ名実ともに注目される透水性コンクリートの二酸化炭素固定化という性能。
結局、蛇口を握ってるのは誰かって、僕たち生コン工場に従事するラストワンマイルだ。
発注機関、コンサル、設計事務所、ゼネコン、道路、ハウスメーカー、工務店その他に威張らせる必要はない。
彼らには作れないのだ。
堂々と製造し、堂々と世の中をより美しくしていこう。
これからは僕たち生コンラストワンマイルの時代だ。
宮本充也