長岡生コンクリート

2022/09/09

「生コンキャンプ.LLPが生コン工場にとって最も頼れるプラットフォームになる」

「生コンキャンプ.LLPが生コン工場にとって最も頼れるプラットフォームになる」

生コンキャンプ.LLPという組織を構想している。出資者は主に生コン工場並びに関連事業者。生コン工場は生コンキャンプ.LLPに出資(ノウハウ、知財、設備など現物出資も可)することで取引が始まる。生コン産業に新たな秩序をもたらす「残コン」をコア事業とした試みについて考察。



生コン工場 × 生コンキャンプ.LLP

生コン工場がLLPに出資する

生コン工場がLLPと取引を始めるにはまず出資から始まる。

例えば残コンステーションがすでに実装されているのであれば現物出資という形式で実質負担はゼロ。

残コンステーションの所有権はLLPに移る。

または、残コンステーションがない場合はLLPに設置に関わる費用を支払う。

その費用は出資という名目で当該工場では計上される。

LLPではその設備の減価償却を行う(経費)。

生コン工場は晴れてLLPの出資者となる。

LLPが生コン工場から残コンを買い取る



本プロセスを通じて得られる骨材。

残コンは有料でLLPが買い上げるため、生コン工場の残コンに関する負担は0となる。

LLPが残コンから生産した骨材を生コン工場に販売する

1. JIS A 5005 に適合した粗骨材(左)

これからJIC森先生に相談に乗ってもらって挑戦する。

本粗骨材のようなプロセスで生成された例を現在世界の生コン規格(JISなど)は知らない。

どのような名目でJIS A 5308の生コンに標準化するかは今後の課題となる。

ただし、この骨材はJIS A 5021 や JIS A 5005 に適合していることが確認されている。

こちらを承認しない理由は見当たらない。

この骨材をLLPは生コン工場に安価(原価)で販売する。

生コン工場は残コン負担をゼロにするだけでなく、仕入れ骨材のコスト削減を果たすことができる。

LLPの目的が関係生コン工場に富を生むことにあるため必要以上の利益は計上しない。

(※仮に計上されたとしても、後述パススルー課税によりその利益は生コン工場固有のものとなる)

試算では現行の粗骨材購入価格の半分の単価でもLLPには利益が残ることが確認されている。

⚫︎参考:「月間150m3の残コンが発生している生コン工場であれば年間7,200,000円以上の利益が生まれる」生コンキャンプ.LLP

2. L品相当の細骨材(右)

2.1 JIS外品向け用細骨材

粗骨材と異なり、細骨材はJISの要求を満足していないため事情が異なる。

現在は、1:3モルタル(先送りモルタル)1.0m3未満の生コン(から練りなど)ステコンなど非構造物に用いられる生コン用の砂としての利用が想定されている。

あるいは、一部生コン工場ではスラモル流動化処理土など別製品に用いる砂としても利用が進もう。

自助努力により「エコ認定」などを取得し、「砂」としての販売促進も想定される(LLPでは全国区のノウハウや人脈がコンサルティングサービスとして提供され、そのような活動がサポートされる)。

粗骨材同様LLPに利益を残さない原価で工場に販売することで富を生む。

2.2 余った細骨材

問題は、上記2.1で使いきれなかった残った砂の用途となる。

LLPが余った細骨材を買い戻し高付加価値製品として流通を作る

不良在庫になってしまいそうな最後の細骨材をLLPが責任を持って用途開発を行い仕入れる。

現在、生コン工場や関係者らと無限の可能性について協議が始まっている。

まず、何よりも、本資源が「残コン」という生産にエネルギー(CO2)を一切使っていない(排出していない)原料を背景としている部分にアドバンテージがある。

脱炭素・カーボンネガティブ・SDGsを追い風とすることができる。

また、資源循環の観点からもその利用は促進されることになるだろう。

ここでは、想定される用途の一部を紹介したい。

2.2 余った細骨材「フィラー」

工場から余った砂をLLPが買い戻し、近隣のアスファルト工場に「フィラー」として販売する。

アスファルト混合物プラントではフィラーが使用されているため、そのフィラーを代替する材料としてLLPが販売する(LLP→道路会社)。

2.2 余った細骨材 「混和材」

また、以前当サイトでは「ライブパック」という後添混和材の構想を紹介した。

⚫︎参考:《後添混和材ライブパック》「クローズドループ・資源循環へ向かう最強の未利用資源【残コン】争奪戦が始まる」#10

例えば、高流動コンクリートが求められる現場にマスターグレニウム6510やHF70など混和剤をc×2%などふんだんに配合した生コンの材料分離抵抗性を保全するために「レオパックのように」後添する。

あるいは、現在当社らで取り組んでいるオコシコンやオワコンの品質改善用の結合材としての適応も可能かもしれない。

その場合、陽光物産のようなパッキング専業者らのコンサルにより生コン工場でそのようなパッケージ製品を高付加価値製品として製造しLLPを通じて販売することができる。

付加価値の高い製品として自社で発生した砂を販売することで新たな収益機会が生まれる。

2.2 余った細骨材 「生コン誘導材」(エコスルCN)

⚫︎参考:《エコスルCN》「クローズドループ・資源循環へ向かう最強の未利用資源【残コン】争奪戦が始まる」#2

また、PUMP MANによればさらに粒度調整をして得られたパウダーは同社が展開するエコスル(生コン誘導材)の原材料としても有益である可能性が高いという。

同じく陽光物産などパッキング専業者のコンサルに支えられこうしたプロダクトに生まれ変わり、「脱炭素」を強みとして市場に還元される。

これまで「捨てるだけ」だった残コンがアイディアだけでいくらでも循環資源に変貌を遂げる。

残コンから新しい市場と新しい利益が生み出される。

生コンキャンプ.LLPが生コン資源循環の新たな秩序を作り上げる


リミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ は、事業を目的とする組合契約を基礎に形成された企業である。すべてのパートナーについて、その責任が限定されているのが特徴である。 ウィキペディア


⚫︎自由な機関設計(51:49を気にしなくていい)

⚫︎利益配分はあらかじめ決められたルールに従う

⚫︎法人・個人を問わず出資が可能

⚫︎パススルー課税(利益はLLPではなく出資会社に直接計上)

当社らが本事業にLLPという事業体を採用したい理由はざっと上記の通りだ。

責任範囲が限定されており、自由に参加したり退席したりしやすいのが特徴。

縛られない。

参加者からしたら、「いやなら抜けりゃいい」というなんともライトな取り組み。

ていうか、すぐにGNNやメッセンジャー・LINEグループを退出しがちな僕とか武南さんに向いている。

まとわりついてこない。

依存的ではなくカラッとしている。

それに、LLP自身が利益にコミットしている訳でもないので、代表取締役とかの選任が特に必要とならない。

出資者がそれぞれにこの箱を利用して努力することでその利益はそのまま当該工場に還元されるようになる。

リーダーがいない。

つまり、バカがリーダーになったりしないので、潰れない。

事業承継のリスクもない。

とにかく、生コン工場のための箱としてみんなで利用すればいい。

なんか、これって、往時セメントメーカーが販売先生コン工場にとって担っていた役割にちょっと似ているね。

新しい生コン産業の秩序を作り上げる潜在性を秘めている。


今後この構想パッケージはより多くの人々の意見に彫琢されアップデートしていく。

日々、生コン工場にとって有益な箱になる。

それだけ出資者が増える。

場がますます盛り上がる。

そんな生コンキャンプ.LLP を想像している。



宮本充也

宮本 充也

主な著者
宮本充也

危険物取扱責任者(乙4)/1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士

毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:採石業務管理者/2級FP技能士