2025/07/16
回収セメントとも言うべき液体混和材【ジョイスラッジ】の結合材置換率によるフレッシュ性状や強度に与える影響を探る

なんか、今日はJCI(日本コンクリート工学会)の大会に出席するからかタイトルがついつい論文ぽくなったちゃいましたが結構将来に重要な実験のように思いますのでご報告いたします
スラッジを回収セメント(液体混和材)として適用したコンクリートの試験練り
回収セメントとも言うべきジョイスラッジ(スラッジを加工して得られた液体混和材)の置換率実験を行いましたのでそのご報告でっす
スラッジを液体混和材(回収セメント)に加工
生コン工場の厄介者スラッジ
現場情報:ジョイスラッジ配合率実験
試験室のみなさんの協力で4バッチを行いました。
RG骨材+
N80%スラリー20%
N60%スラリー40%
N40%スラリー60%
N20%スラリー60%
*スラリーが少ないバッチに足りなかった水分を増やさなきゃいけなかった。結果が出たらまた共有します。
*スラリー=ジョイスラッジ
(共有:ふぇらーりあるべると)
つまり、スラッジ固形分の結合材置換率の変化によりフレッシュ性状や強度にどのような影響が齎されるかを見極める実験
スラッジに特殊加工
液体混和材(回収セメント)ジョイスラッジ
ドロドロの液体が得られました。あらかじめ含水量が計測されているためジョイスラッジに含まれているスラッジ固形分量と水分量で結合材と練り水に置換して製造する
ジョイスラッジ適用試験練り
残コン粒状化再生骨材とOPCに対していジョイスラッジ(スラッジ固形分)をいくつかの置換率で配合して試験練りを行いました
骨材は残コン粒状化再生骨材
ジョイスラッジ(スラッジ固形分)置換率80-60-40-20%
練り水分を追加して投入されるジョイスラッジ
スラッジ固形分を高度に利用した生コンの出来上がり
フレッシュ性状には大きな影響ありませんでした
N80%スラリー20%
スランプ13.0
エア1.9%
N60%スラリー40%
スランプ9.0
エア2.0%
N40%スラリー60%
スランプ13.5
エア1.6%
N20%スラリー80%
スランプ13.0
エア2.1%
(共有:ふぇらーりあるべると)
概ねスラッジ固形分(ジョイスラッジ)の置換率によるフレッシュ性状への影響は見られなかった
先日は100%置換のコンクリートが全然強度が出てなかったことがわかってるからこれでジョイスラッジのおよその実力が見極められるぜ
スラッジの高度利用のことなら JOIS by CD協会
コンクリートディレクター協会が推進するJOIS(Japan Out-Industrial Standard)は規格外コンクリートの普及推進を通して資源循環や脱炭素技術の社会実装に貢献しています
JOIS
「コンクリートをもっと身近に」
コンクリートを通して社会貢献するためにもしっかり現場や学会でお勉強をしてその価値を伝えていかなくちゃねっ
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー

未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。