長岡生コンクリート

2025/07/18

盛岡で開かれているコンクリート工学会の環境配慮型コンクリート発表聞いてきましたのでメモ

盛岡で開かれているコンクリート工学会の環境配慮型コンクリート発表聞いてきましたのでメモ

学会は論文発表そのものよりもそこで出会う人たちとの交流が醍醐味。 交流していると自分の内部が刺激されいろんなアイディアが生まれてくる。それが糧になって日々の実践に応用され新しい価値が生み出される。3日間に及んだコンクリート工学会の環境配慮型コンクリートで感じたことメモ
トップ画像は https://confit.atlas.jp/guide/event/jci2025/top?lang=ja から引用



環境配慮型コンクリート

 残コン女の子

コンにちは、残コンさんでっす
本日はたまにはチャラくないちゃんとした活動をということでオワコンの宮本さんも参加いたしましたコンクリート工学会の模様をお伝えしまっす

竹中工務店

IMG_4779.jpeg

解体コンクリートを再生骨材に加工する際に発生する大量の微粉をタンク内で炭酸化処理を施してからフィルタープレスにかけて減容化、3日間かけて乾燥させてからCCU粉体として生コンクリートに適用するという内容でした

オワコンの宮本さんの感想

実装を考えた際にその「3日間かけて乾燥させる」がボトルネックとなり、コストに大きく影響するものと考えられる。 たとえばフィルタープレスして減容化された固形分にジョイスラッジを適用して再び流動体としてから骨材をブレンドして「かたまらないけど生コンのようなもの」を作ってから粒状化(re-con zero)させることで粒度分布を有する粒状化再生骨材状にすれば表面積を稼ぐことができ乾燥を促すことができるのではないか

大林組

IMG_8445.png

ccu390kg固定した98%炭酸カルシウム(エコタンカルに近い)をふんだんに適用したコンクリート。さらに、普通ポルトランドセメントの使用も極限まで控えカーボンネガティブを実現した生コンクリートの現場打設はすごいと思った。通常の同じ強度のコンクリートに比べてCO2排出量はなんと106%削減


太平洋セメント

IMG_8446.jpeg

普通ポルトランドセメント内割で10%石灰石微粉末(LSP)で置換しても同程度の強度が発現することでCO2排出量抑制が図られるという発表。ほか、クリンカー比率低減、流動性向上などが発表されてました。すごいね。今後の課題としては耐久性や温度依存性などが話題となっていた。

オワコンの宮本さんの感想

LSP(重質炭酸カルシウム)が強度発現に寄与するってことは人為的にCO2を吸収固定させたCCU(軽質炭酸カルシウム)だってその性能が見込まれるのではないか。これまでもいくつかの発表でその辺が指摘されてたような気がする。そうなると、残コナとか各社が奔走している残コンや戻りコン由来のCCUは、ただCO2を減らしてるだけじゃなく性能向上にも貢献してる、みたいなことになるってことか。クリリンのことか


他オワコンの宮本さんの感想

教室の中で様々な研究・開発の発表を聞いていると自分の考えも整理できる。以下は宮本さんが教室の中で思いついてメモしていた内容列記

①アウトレット生コン

セメントは1m3単位(単位セメントあるいはSCMs量はこれから試験練りを繰り返して決める)でフレコンに詰めておき、バッチャープラント簡単な設備でジョイスラッジと回収骨材を生コン車の中でブレンド。セメントのプラント計量をしないためいわゆる組合のお約束であるバッチカウントされない生コン車で作る残コン由来の低強度の生コンクリートは原価激安。これを「固まればなんでもいい。とにかく安く欲しい」というユーザー領域に向けてマッチングアプリなどを駆使してマーケティング


②cnコンクリートは粘性が高くなりがち

発表を聞いていていずれの取り組みもどうしても粉体リッチになりがちで粘性に苦慮されていたようだった。これは当社でも実際に経験してきたことでそれが理由で施工業者から敬遠されるというのも現場で何度も体験したこと。これ、なんとかならんのかなあ


④擁壁、土間は自由度高い

大林組さんの発表にもあったがやっぱり規格外品が許容される分野、擁壁とか土間コンとかって自由度が高いなと感じた。どうしても各社は耐力壁など構造物に適用を考えがちだがそうではない領域、まさしくJOIS by CD協会 が志向する規格外コンクリートの分野でまずは実装をたくさん重ねるあり方が求められるんだと思った。でも、生コン工場に関しては組合やらユーザーやら規格やらにがんじがらめでやりたいこともやれない状況ってのをまずはなんとかしなければならないかもね


⑤上澄水でしめらせた骨材を造粒

こちらは以前特許出願もしたことがある技術なんだけど(「炭酸カルシウム粉体の製造方法」(230-7044) 出願番号:特願2023-122422  出願日:令和5年7月27日)粗骨材、細骨材、上澄水(飽和水酸化カルシウム溶液)をブレンドしてからre-con zero などを用いて粒状化させるとモルタルだんご状になるので乾燥が促進される、つまりDACによる上澄水の炭酸化が期待できる。で、そのたっぷり炭酸カルシウムをはらんだ骨材を集塵機や分級機を用いて炭酸カルシウム、細骨材、粗骨材に選別する、というのをやってみたいと思った


⑥スラッジ水の炭酸化は応用範囲が広い

生コンに限らずみんなの厄介者スラリーの炭酸化養生に加えてその後の乾燥工程の最適化は非常に将来性のある分野だと思いました。オワコンの宮本さんが知っているだけでも、あの会社さん喜びそうだなというのが両手の指で収まりません

コンにちは、まさ固さんです
多くの方々との再会にも恵まれ心機一転コンクリート全集中の好機となったようです。次なるターゲットは土木学会 in 熊本を予定しています

まさ固さん

次は土木学会 in 熊本

IMG_8447.jpeg

次なるターゲットはこれ! 熊本で開催を予定している土木学会でもいろんな発表や研究に触れることができそう。インターネットでチャラいブログばかりを発信しているからなんだかインチキとか偽物とか思われてないかいつも心配しているオワコンの宮本さんだがどっこいしっかりしめるところはしめてます。もちろん、行ったら行ったで毎晩飲み会ですが

コンにちは! オワコンの宮本さんですっ。 もちろんものすごい楽しいんだけど深夜に及ぶ飲酒を兼ねた議論は体力の消耗がすごいです汗
「コンクリートをもっと身近に」
コンクリートのことをもっともっと伝えて知ってもらって身近に感じてもらうことで貢献を広げようっ
オワッコーン‼︎

 宮本

 残コン女の子

ぉ、おわ??。。
ぉわっこーン!

まさ固さん

作者・宮本充也

残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー

未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。

Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。

After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士/砂利採取業務主任者/採石業務管理者

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:宅建士