「これまでにない世界」 ※本稿はインターウェーブ建設応援マガジンに寄稿したものです
宮本お兄さんのコラムである。
土木関連ゆるキャラ。
このところ、各団体が打ち出してきたが、ここで改めて言いたい。
宮本お兄さんが、元祖である。
さて、このところつくづく感じることがある。
以前は国と個人の関係性は圧倒的に国が有利だった。
国→企業→個人
という相対的順序が明確だった。
個人がいくら背伸びしたって国には勝てない。
これは、情報制限が前提にある統治だったから。
国は国民から個別に吸い上げたその圧倒的な情報量を、
少しずつ下々に出したり出さなかったりした。
下々は連携する術を持たないから、吸い上げられる情報または降りてくる情報しかない。
つまり、縦の脈しかない。
しかし、情報インフラが整った現在
「自分で価値を発信することができた」
つまり、国や企業といった上から降ってくる情報を能動的に手にするのではなく、
個々人が自由に発信する情報を自らの手で取捨選択することができる時代になったことを意味する
つまり、
情報制限を前提とする統治はもはや通用しない
ということ。
そうなると、国・企業・個人の序列の相対的差異が狭まってくる
個人の価値が「これまでになく」高まった時代ということになる。
発注形態を考えてみたい。
私たちは縦の脈の一部として機能してきた。
国家または行政から降りてくる情報(つまりは仕事)を期待してきた。
受注したその仕事の下には各種資材メーカーや商社が群がる。
縦の脈で生きる生態系、まるで蟻塚だ。
その縦の文脈は経済成長・人口増加を前提としている。
つまり、人口収縮局面の現在では、
「わけあう」から「うばいあう」にシフトするのが必定
情報制限、縦型統治のモデルは破たんせざるを得ない
そんな予兆は数多くみられる。
さて、情報インフラが整った時代。
私たちは国や行政に頼ることなく、自ら情報を得て、自分なりの付加価値を乗せて、発信することができる時代となった。
上を向いてひたすら下請け根性丸出して、その下請けに対しては威張り散らす。
そんな時代は終わりを迎えようとしている。
今求められているのは、縦ではなく、水平の文脈。
これまで連携することがなかった(できなかった)個々の企業体が、その価値を互いに理解し合える社会。
「これまでにない世界」
が始まろうとしています。
5年前に始まったGNN元気な生コンネットワーク→全国100の生コン拠点の連携
5年間で想像できなかったような変化が生まれました。
そして、YDNやんちゃな土木ネットワーク→会員数10を超えました。
縦の脈ではしかたない。
個別の利益を主張し合い、隠し合うのはしかたない。
客と供給者の間に信頼関係が生まれないのも必定。
全体最適化なんてのは単なる理想論。
水平の脈では、それができる。
大きなパラダイムシフトを経て、私たちは本当の価値に触れることができるようになり、
そして、本当の価値を作り出し、社会に問いかけることができるようになった。
これからは、本物が生き残る、実にスリリングな時代となります。
宮本充也